2009年02月11日
♪ やっぱり「釣りキチ三平」 ♪
本屋さんでコレを買いました。 

fenekの「釣りキチ三平」釣魚大全
名場面紹介のほか、激闘20尾大検証とかの記事があります。
また、作者の矢口高雄氏と児島玲子さんの対談も載ってます。
釣りキチ三平の漫画の中では、「イトウの原野」が一番人気でしょうね。
子供の頃、「魚へんに鬼と書く」巨大な魚を、「谷地眼(やちまなこ)」という底なし沼がある釧路湿原で、三平がベイトリールにネズミ型のスプーンで狙うというシチュエーションにすっかりハマリました。
そのほか、イワナやヤマメ等の渓流魚は言うに及ばず、ムツカケの秘技「ツバメ返し」から無名島でのキャスティング大会まで、どれをとっても忘れられない内容です。
「紅葉堤の大ニジマス」という話は、確か三平が巨大な残りマスを狙っているうちに疲れから眠ってしまい、その間にニジマスがヒットして竿と糸を引く「音」で目を覚ますという内容だったと思います。(違ってたらすみません)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中学1年の夏、親から転校を知らされた私は、最後の記念にと近所の米代川に釣りに行きました。
中学校の裏にちょっとした深みがあり、そこは結構イワナが釣れる場所でした。
いつものように護岸の上に立つと、水中に大きな木の枝の影が見えます。
今までそこに木はありませんでしたが、多分上流から流されてきたのでしょう。
えさのミミズを2匹針に掛け、4.5メートルの万能竿で振り込みます。
上流からゆっくりと流されてきた目印は、木の枝の前でピタリと止まりました。
「引っ掛かったかな・・・」
仕掛けを軽く引いてみても外れる気配はありません。
仕方がないので糸を手にして切ろうかと考えた次の瞬間・・・
「キュキュキュンッ!!」
凄い糸鳴りとともに竿が引き込まれました。
てっきり木の枝だと思っていたのは、何と巨大な魚だったのです。
流れの中をグレーの影が、グイグイと力強く進みます。
竿は手元から曲がり、見たこともない曲線を描きミシミシといっています。
糸は強い風が吹いた時の電線のような、ヒュンヒュンという不気味な音を立てました。
川では毎年、ニジマスを放流して釣り大会が行われていました。
大半が30cm程度の魚でしたが、その中には何匹か70cm程度の魚が混じっていました。
今、糸の先に掛かっているのは、まさに前年の巨大な残りマスでした。
しかし、今まで釣ったことのある魚の確実に2倍以上ある大物を前にして、経験のない私はなす術がありませんでした。
そうこうしているうちに、ニジマスは下流に向かって泳ぎ出します。
「あっ、流れに乗ってしまうとまずいぞ・・・」
ビシュッ!という音がして、カミツブシが顔に飛んできて当たりました。
8号のヤマメ針を見ると、フトコロの部分からすっかり真っ直ぐに伸びていました。
そして、川はまた、元の穏やかな流れに戻ってしまいました。
それから転校するまでの1週間、私は毎朝早起きして川に行ってみました。
でも、あの巨大なニジマスの姿は、もうどこにもありませんでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
漫画を最初に読んだ時、「糸鳴りの音で目を覚ます?」と信じられなかったのですが、たった1度とはいえ自分も似たような体験をして、三平と同じ世界にちょっと足を踏み入れたような気がしました。
あっという間に月日は過ぎ、外見はヤレたオヤジに変わりましたが、気持ちはあの夏の日から少しも変わっていないように思います

fenekの「釣りキチ三平」釣魚大全
名場面紹介のほか、激闘20尾大検証とかの記事があります。
また、作者の矢口高雄氏と児島玲子さんの対談も載ってます。

釣りキチ三平の漫画の中では、「イトウの原野」が一番人気でしょうね。
子供の頃、「魚へんに鬼と書く」巨大な魚を、「谷地眼(やちまなこ)」という底なし沼がある釧路湿原で、三平がベイトリールにネズミ型のスプーンで狙うというシチュエーションにすっかりハマリました。
そのほか、イワナやヤマメ等の渓流魚は言うに及ばず、ムツカケの秘技「ツバメ返し」から無名島でのキャスティング大会まで、どれをとっても忘れられない内容です。
「紅葉堤の大ニジマス」という話は、確か三平が巨大な残りマスを狙っているうちに疲れから眠ってしまい、その間にニジマスがヒットして竿と糸を引く「音」で目を覚ますという内容だったと思います。(違ってたらすみません)
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中学1年の夏、親から転校を知らされた私は、最後の記念にと近所の米代川に釣りに行きました。
中学校の裏にちょっとした深みがあり、そこは結構イワナが釣れる場所でした。
いつものように護岸の上に立つと、水中に大きな木の枝の影が見えます。
今までそこに木はありませんでしたが、多分上流から流されてきたのでしょう。
えさのミミズを2匹針に掛け、4.5メートルの万能竿で振り込みます。
上流からゆっくりと流されてきた目印は、木の枝の前でピタリと止まりました。
「引っ掛かったかな・・・」
仕掛けを軽く引いてみても外れる気配はありません。
仕方がないので糸を手にして切ろうかと考えた次の瞬間・・・
「キュキュキュンッ!!」
凄い糸鳴りとともに竿が引き込まれました。
てっきり木の枝だと思っていたのは、何と巨大な魚だったのです。
流れの中をグレーの影が、グイグイと力強く進みます。
竿は手元から曲がり、見たこともない曲線を描きミシミシといっています。
糸は強い風が吹いた時の電線のような、ヒュンヒュンという不気味な音を立てました。
川では毎年、ニジマスを放流して釣り大会が行われていました。
大半が30cm程度の魚でしたが、その中には何匹か70cm程度の魚が混じっていました。
今、糸の先に掛かっているのは、まさに前年の巨大な残りマスでした。
しかし、今まで釣ったことのある魚の確実に2倍以上ある大物を前にして、経験のない私はなす術がありませんでした。
そうこうしているうちに、ニジマスは下流に向かって泳ぎ出します。
「あっ、流れに乗ってしまうとまずいぞ・・・」
ビシュッ!という音がして、カミツブシが顔に飛んできて当たりました。
8号のヤマメ針を見ると、フトコロの部分からすっかり真っ直ぐに伸びていました。
そして、川はまた、元の穏やかな流れに戻ってしまいました。
それから転校するまでの1週間、私は毎朝早起きして川に行ってみました。
でも、あの巨大なニジマスの姿は、もうどこにもありませんでした。
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漫画を最初に読んだ時、「糸鳴りの音で目を覚ます?」と信じられなかったのですが、たった1度とはいえ自分も似たような体験をして、三平と同じ世界にちょっと足を踏み入れたような気がしました。
あっという間に月日は過ぎ、外見はヤレたオヤジに変わりましたが、気持ちはあの夏の日から少しも変わっていないように思います
